【トークイベント】ビストロ アヴァンティ 金子高也さんのお話しから学ぶ~コラボレートの重要性~

こんにちは。


6月23日(木)にBistro Avanti(ビストロ アヴァンティ)でシェフを務められている 金子高也さんとのトークイベントを開催しました。


金子さんがシェフを務めるBistro Avanti(ビストロ アヴァンティ)は東京の高田馬場にそのお店を構えます。フランスの街角を思わせるオシャレな外観と店内、そして何より美味しいお料理のひとつひとつにこだわりを感じます!

https://bistroavanti.owst.jp/


金子さんが料理人を目指したきっかけとなったのが、小学生の時にみた「料理の鉄人」というTV番組。
ショーアップされたそのかっこよさ、そしてフレンチの鉄人坂井宏行氏に憧れ料理の道を志したそうです。

専門学校を卒業後は関西にて修行を積み、その後上京。
渋谷、銀座など数々の有名店で務められ、そして現在に至ります。

ビストロ アヴァンティをオープンしたのは2020年、コロナ禍での立ち上げだったとのことで、かなり苦労されたそうです。

コロナ禍で集客が難しい状況の中でも何かできることはないかを考え、契約農家である生産者の方たちのチームのプラスになるようにマルシェを企画。
現在も定期的に開催されるアヴァンティのマルシェは地元の方たちに大好評!休日のおなじみの光景になっています。



金子さんが生み出す料理へのこだわりが伺えるポイントのひとつが、
生まれ故郷である香川県産の食材を積極的に取り入れていることです。

現地に赴き、実際に自分で食べて美味しい、いいな!と思ったものを提供するという金子さんのポリシー。

実際に自分が現地に足を運ぶことで、新しい発見もたくさんあるのだとか。


例に挙げられたのが、香川県産の「ひまわり油」について。
あのひまわりの花から油がとれるというのを私自身も初めて知りました!

金子さんも実際にひまわり油という存在を足を運ぶまでは知らなかったそうです。

こうした自分の目で見て、食べて、肌で体感する経験をしていくなかで、金子さんはご自身をお客さんと生産者さんの「間」を取り持つ存在と考え、「いいな、美味しいな」と思ったものをお店で提供したい、いいものだから、みなさんに知ってもらえたら自分も嬉しい、とお話ししてくれました。

いいものをみんなと分かち合いたい、その想いはとてもシンプル。

確かに自分がいいな!と思ったものは、人にオススメしたくなりますよね♪



そしてもう一つ小豆島のハモについてお話しをしていただいたのですが、とても興味深い内容を伺うことができました。


金子さんのお話しを伺い、私自身も小豆島のハモについて少し調べてみました。

現在では香川県小豆島産のハモは「島鱧」としてブランド化されるほどの魚であり、関西を中心に多くの料亭などに出荷されているそうですが、もともと小豆島においてハモは少し厄介な魚だったようです。


一時期を境に小豆島でも大量にハモが獲れるようになったのですが、とても獰猛な魚であるがゆえに、網にかかっても素手では触ることができず処理にとても手間がかかる、網自体を食い破ってしまい道具が使い物にならなくなってしまう、他の魚を食べてしまい海の生態系を崩してしまうなど、数々の問題が生じていました。

地元の漁師にとってハモは害魚(弊害のある魚)としてかなり頭を悩ませた魚だったそうです。

加えて、漁業者の高齢化や後継者の不足などの問題も山積み。
問題解決に向けて何かできることはないか?


そんなとき地元の漁師の方たちは「ハモを害魚からブランド魚に活かせるのではないか?」と考え、ブランド魚として販路を拡大し、小豆島の漁業の活性化するために一致団結。
まずハモを先んじて商品として出荷している自治体へ足を運びそのノウハウを学ぶことからスタートしたそうです。

厳しい品質基準を設け、手間暇をかけることで他のブランド魚との差別化に尽力されました。

こうした取り組みが徐々に広く知られるようになり、現在では地元の基軸産業のひとつとして地域活性化の起爆剤となり、新しい雇用も創出。
こういった経緯で小豆島の新しいブランド魚「小豆島 島鱧」が誕生!


現在では小豆島の名物商品として、大阪・京都を中心に出荷されるようになり、小豆島のハモは40億円以上ものマーケットを生み出しているそうです!!

ただ処分するだけの魚だったところから、価値あるものにして世の中に提供するにはどうすればよいかを考え実現されているのは本当に素晴らしいことだなと思います!


SDGsという言葉が世の中に知れ渡っていく以前から、こうしたムダをなくし、活かしていくという取り組みは全国各地でなされていたんだなと改めて実感しました。


ビストロ アヴァンティでも季節にあわせてそのハモを使った料理を提供しているそうです。

ハモを取り入れることで、小豆島の漁師の方たちの想いやストーリー性を訪れたお客さんに自分が語ることができる。これがとても大切だと金子さんはおっしゃっていました。


「僕たちが知らないストーリーがある。ネットじゃわからない、
現地の人の熱量も実際に訪れてこそわかるものを伝えたい」


金子さんの想いに当社社長の向山もとても共感していました。

当社が経営するセレクトショップも、取り扱う商品それぞれに生産者の方の想いや、その商品が生まれた背景、ストーリーを知り、社長自身が想いに共感し、届けたいと思ったものにこだわって取り扱っています。


「やっぱり人ですよね」と話す金子さんの姿に、人とのご縁やつながりをとても大切にされているんだなと感じました。



まだまだやりたいことはいっぱいあると笑顔で話される金子さん。

そんな金子さんに今後の展望やビジョンについて伺いました。


まずひとつに第一次産業の方、特に料理に密接に関わる農業、漁業を応援すること。

金子さんは日本の食材を大事にしてくれる人、仲間とその想いを共有し、つながっていけたら面白いし、農業、漁業に携わる人たちとコラボレートして各々の仕事をより盛り上げていけるのではとお話しされていました。

47都道府県にそんなお店がつながりをもって運営できたら楽しそうですよね、と語る金子さん。

互いの強みを活かし、より広く大きな取り組みをなしていくにあたってコラボレートは今後の鍵となるものであると改めてその重要性を認識しました。



そしてご自身の料理人としてのビジョン、それは食べてもらう人が幸せになるような料理をこれからも作っていくということ。

つい最近ご自身が体験したエピソードを金子さんはお話ししてくれました。


とある週末、お客様から「食べて幸せになりました。今日はなんだか元気がなかったのですが、元気が出ました」という言葉をいただいたそうです。


この言葉に金子さんは自分が大切にしたいことはこれだな、と素直に感じたと話されていました。
食を通して人に「幸せ」を届けることに金子さんの一料理人としての信条がひしひし伝わってきました。



終始楽しそうにお話をしてくださった金子さん。
今後の展望に対してのワクワクが私たちにも感じられるほどでした!

生産者の方、お客さんの「間」として全員が良くなるように、という三方よしの精神を当たり前のように生きていらっしゃる金子さんのお話しは事業を営む私たちにとって学び満載の時間となりました。


今回のトークイベントを通して、食という分野からのSDGsについての知見を深めるとともに、人と人とがつながり、お互いに力をあわせて大きな成果を生み出したり、良くなっていったりすることにつなげていけるコラボレートの重要性について再認識することができました。

そして金子さんの自分にできることは何か?を考え実際に行動に変え、常に新しいことにチャレンジされている姿にとても感銘を受けました!

この場をお借りしてBistro Avanti(ビストロ アヴァンティ)のシェフ 金子高也さんに厚く御礼申し上げます。


引き続き株式会社ANは各業界のプロフェッショナルの方たちとのコラボレートや、トークイベントを通じてみなさまに情報をお届けしてまいります。