【トークイベント】アップサイクルブランド「ネルコッチャ」の宮森穂さんのお話しからSDGsについて考える!
株式会社ANのYukiと申します。
8月30日に富山県小矢部市に本社を置く株式会社ミヤモリの代表取締役専務 宮森穂さんとのトークイベントを開催いたしました!
今回は宮森専務が尽力されているブランド「Nercoccia(ネルコッチャ)」について、ブランド誕生の背景や、今取り組まれていること、今後のビジョンについて詳しく伺うことができ、SDGsに貢献していくことについて改めて深く考える機会となりました。
当社のオーガニックセレクトショップでもネルコッチャブランドの化粧品をいくつか取り扱っており、化粧品には富山県の名産である「ハトムギ」からとれる“ぬか油“を使用しているのが特徴です。
私はハンドクリームとボディミストを使っているのですが、どれもしっとりと肌になじんで使いやすいことはもちろん、自然なアロマの香りが心地よく香るのでリフレッシュしたいときにも使っています。とてもお気に入りです♪
(写真)ネルコッチャブランドの製品と生地の裁断片を使用したアップサイクルテディベア
株式会社ミヤモリはもともと縫製会社として56年の歴史があり、水着、ヨガウエアーなどの生産事業のほか、2019年からは学校体操服の販売事業を全国約500校へ展開されています。
縫製から化粧品製造というまったく異なる分野へ挑戦するきっかけは、地元富山県の繊維産業を盛り上げたいという想いから始まったと宮森専務はお話ししてくれました。
ブランド「ネルコッチャ」が生まれた富山県小矢部市は繊維の町といわれ、就労人口の17%が繊維産業に携わっています。
今から5 年ほど前に、小矢部市の繊維産業をもっと盛り上げるには?という想いを持った地元の企業が集まり、それぞれに独自ブランドを立ち上げることになったそうです。
株式会社ミヤモリでブランド「ネルコッチャ」から化粧品事業を立ち上げる際に、あわせて富山県小矢部市で日本一の生産量を誇る「ハトムギ」を使い、より地元産業に還元させようという発想から「ハトムギ×ネルコッチャ」が誕生しました。
ちなみにこの「ネルコッチャ」という名前は富山の方言で「ゆっくりお休みください」 という意味なんだとか♪
今回のトークイベントでは化粧品の原料として使われているハトムギの現物を宮森専務に見せていただきました。(下写真)
ハトムギは、殻、薄皮、渋皮、子実の4つの部分から構成されている植物。
ハトムギ自体をじっくり見ることが初めてだった社長とスタッフは興味津々!
「ネルコッチャ」ではハトムギを食用として精白するときに出る“ぬか”から油を抽出し、その油を衣類に加工したり、基礎化粧品に配合したりしているとのこと。
宮森専務曰く、昔はこの“ぬか”は飼料にするか、廃棄するかしか方法がなかったそうです。
廃棄してしまう以外にこの”ぬか”を活かせないかと、地元JAによってぬか油を抽出する技術が開発されてから「ネルコッチャ」の化粧品にも”ぬか油”が活かされています。
こうしてアップサイクルすることで資源を余すことなく活かすことはSDGsにおいても重要視されているポイントのひとつですね。
現在「ネルコッチャ」では、ハトムギぬか油の直搾油製法に取り組まれていると宮森専務から伺いました。
今まではぬかから化学的に油を抽出していたところを、社内に搾油する設備を設け、直に搾ったハトムギぬか油の精製に挑戦されているそうです。
直搾油製法でのハトムギぬか油が抽出される割合は米ぬか油と比較してかなり少なく、とても希少なもの。
直搾油製法で抽出されるハトムギぬか油は自然で身体に優しいものであるため、より濃度の高い、フレッシュなハトムギぬか油を搾油して、品質の高い製品づくりに活かすべく日々チャレンジされています!
身体に優しく自然でより良いものをお客さんに届けたいというこだわり。
「ネルコッチャ」は捨てられるものから生まれたアップサイクルブランドであり、小矢部市全体のたくさんの力と想いがつまっている商品なんだなと思いました!
無駄なものをなくして活かしたいと思う人はたくさんいるなかで、このように実際の行動に起こして地域産業の活性化、そしてSDGsへの貢献をされている宮森専務をはじめ、株式会社ミヤモリのみなさんの熱意が「ネルコッチャ」を通じてとても伝わってきます。
宮森専務からハトムギに関する知識も教えていただき、より理解を深める時間になりました。
ハトムギはもともと漢方薬として古くから重宝されてきた歴史があり、肌荒れなどで皮膚科にかかった際に、ヨクイニン配合の薬を見かけることがありますが、このヨクイニンはハトムギの子実なんだそうです。
実際にハトムギからぬか油を精製する工程の一部を動画で拝見し、ひとつひとつ手間暇をかけてネルコッチャ化粧品が作られていることを知ることができとても嬉しく思いました。
株式会社ミヤモリでは新規事業であるブランド「ネルコッチャ」の立ち上げに加え、メイン事業である縫製の分野においても地球環境に貢献するためにアップサイクルの観点を大切にされています。
捨てる部分をなくして資源をフルに活用できないかを宮森専務は常に考えられ、新製品の開発にも積極的に参画されています。
そのなかで地球環境に貢献する事業のひとつとして力を入れているのが服の裁断片のアップサイクル事業。
服の生産において生地を型紙に沿って裁断したとき、約20%が裁断片となり廃棄されているのが現状なのだそうです。
株式会社ミヤモリでも年間22トン強の裁断片が出ていると宮森専務はお話ししていました。
それらの裁断片を綿にしてぬいぐるみの中に入れたアップサイクルテディベアはとてもかわいらしい商品♪
また直近では裁断片を間接的に燃焼して“炭”を開発したとのこと!!!
裁断片を間接燃焼することで、約20%が炭として固化するそうです。
つまりこの固化した分のCO2量が削減されることになります。
もし株式会社ミヤモリから出ている裁断片すべてを固化した場合、約664本分の木が年間に吸収するCO2量の削減につながるそうです!
服から炭が生まれるということにスタッフ一同大変驚きました!
廃棄されるしかなかった裁断片をどうにかして活かせないかという想いから新しく炭を開発された宮森専務の熱意に終始感服していました!
当社スタッフも商品に関して感想を述べさせていただき、こんな商品があったら嬉しいといった話題で大いに盛り上がりました!
スタッフの要望などにも熱心に耳を傾けられる宮森専務。
商品の研究開発やプロモーションなど、たくさんの人とネルコッチャを介して仕事をしていくなかで「雰囲気が良かったのでぜひネルコッチャのチームに入りたい!」という方もいらっしゃると伺いました!
宮森専務の人柄、そして人とのご縁を大切にされている姿勢がとても印象的でした。
最後に株式会社ミヤモリの今後のビジョンを伺い、今まさに大切にされている”3つのサスティナビリティ”について宮森専務からお話しをいただきました。
1.事業におけるサスティナビリティ
提供する製品、サービスで社会に持続的に貢献できるように事業基盤の構築を進める。
2.環境におけるサスティナビリティ
ウエアーのロングライフを目指し、リペア、リメイク、アップサイクル事業を推進する。
工場における廃棄物のリサイクル100%、太陽光パネル設置、工場内証明のLED 化、学校体操服の回収。
3.子供たちの成長におけるサスティナビリティ
我々の未来である子供たちの持続的な成長のサポートを実施。
より良い体操服を着てもらうことや、服の鉛筆などを通じてSDGsの勉強を共に行なっていく。
3つのサスティナビリティに加えて、宮森専務は新規事業であるネルコッチャブランドにおいて、事業ネルコッチャでより収益をあげて社員の人たちが幸せになり、そして肌の健康寿命を伸ばし、お客さんの幸せに貢献したいとお話しされていました。
子どもや孫の世代まで自然が保たれるために、今自分たちに何ができるか、
そして地元である富山県の良さを世界へ発信するべく事業に邁進されている宮森専務。
新しいチャレンジを楽しみながらも、熱い想いで世の中に貢献していく姿勢からたくさんのことを学ぶ時間となりました!
宮森専務がおっしゃる3つのサスティナビリティと株式会社ANが掲げる企業理念
「地球×人」「事業×人」「人×人」とは相通じる部分があり、非常に共感する部分が多かったです。
改めてSDGsに貢献をしていくということは、地球環境だけでなく、そこに生きる人たちの豊かさや幸せの実現に貢献していくことなのだと思いました。
この場をお借りして株式会社ミヤモリ代表取締役専務 宮森穂さんに厚く御礼申し上げます。
株式会社ANは今後もトークイベントを通してみなさんの生活の豊かさにつながる取り組みや、情報を発信してまいります。