冬至から学ぶサスティナブルライフ①〜カボチャにまつわる人々の知恵と習慣
株式会社ANのYukiと申します。
寒い日が続きますね。
今年、2023年の冬至は12月22日です。
冬至とは「日短きこと至る(きわまる)」という意味で、一年で最も昼の時間が短くなる日。
日の出時間と日の入り時間を見ると、夏至と冬至でおよそ5時間近く昼間の時間が違うようです。
冬至を迎えてからはますます寒さが厳しくなるとされ、冬至から数えて15日目頃を「小寒(しょうかん)」、小寒から数えて15日目頃を「大寒(だいかん)」と呼びます。
また、武道や芸道で聞く寒稽古(かんげいこ)もこの時期に行い、寒さの中で心身を鍛錬します。
現在のような冷暖房設備のない時代、人々は寒さを感じる時季に細かく名前をつけて認識し、冬を無事に越えるための生活の工夫や知恵を働かせてきました。
現代では、サスティナブルだという観点からの注目を集めることも。
冬至にまつわる話の中で、今回はカボチャについて取り上げて書いていきます。
■カボチャを食べる習慣について
冬至にはカボチャを食べるという家庭も多いのではないでしょうか。
かつて、冬にも食べることのできた野菜は、現代の私たちが想像する以上に限られていました。
カボチャは夏から秋にかけて収穫する作物ですが、常温による長期保存が可能であり、冬場まで貯蔵できたそうです。
そのため、この時季に無病息災を願ってカボチャを食べる習慣が生まれました。
「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われることもありますね。
実際、緑黄色野菜の代表格の一つとしても知られるカボチャは栄養価が高く、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCや食物繊維などが豊富に含まれています。
厳しい自然の中で、自然とともに生きてきた先人の知恵からは、私たちの100年先の未来を守るサスティナブルな暮らしを送るためのヒントをたくさん見つけられそうです。
■カボチャと冬至の七種について
実は、冬至にちなんで親しまれてきた食物はカボチャだけではありません。
新春の1月7日に食べる「春の七草」は有名ですが、「冬至の七種(ななくさ)」があることをご存知でしょうか。
南京(なんきん)、蓮根(れんこん)、人参(にんじん)銀杏(ぎんなん)、金柑(きんかん)、寒天(かんてん)、饂飩(うんどん/うどん)の7つが冬至の七種。
ちなみに南京とはカボチャのことです。
「七草」が葉物の野草であるのに対し、「七種」は根菜や種子が多く見られますね。
冬至には、「運」という語から「ん」のつく食べ物を食べると福が来るとされ、親しまれてきたようです。
寒さがいっそう厳しくなる時季に備え、健康に留意して栄養満点の旬の食物を摂れるよう、「七種」として工夫して伝えてきたのでしょう。
■カボチャの伝来
カボチャはアメリカ大陸原産の作物と言われています。
ハロウィンのジャックオランタンは、元々はカブを用いていたところを、アメリカ大陸にこの風習が伝わった際によく収穫できるカボチャで代用するようになったという話は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ところで、「カボチャ」は日本人が付けた名前です。英語では「パンプキン」ですよね。
日本へは戦国時代にカボチャが持ち込まれました。そこで渡来したポルトガル船がカンボジアに寄港していたために、アメリカではなくカンボジアの野菜として日本に伝わったのだとされています。
そのため「カンボジア」という言葉の音声が転化して「カボチャ」と呼ばれるようになったのだと。
■おわりに
冬至にカボチャを食べるという言い伝えは、これから訪れる最も寒い時季を乗り越えるための習慣だったようです。
栄養価の高いカボチャを摂ることにより、予防医療にも繋がって「医者いらず」で過ごせたら嬉しいですよね。
また、自然の恩恵を最大限活用した食生活は、現代を生きる私たちに、サスティナブルで地球に優しい選択を気づかせてくれます。
オフシーズンの食材を生産したり保存したりする場合、相当のエネルギーを掛ける必要があることは想像に難くありません。
それに対して、旬の食べ物は、地球への負担が少ない条件で手に入れやすいのです。
以上、今回はカボチャについてまとめてみました。
次の記事では、「冬至から学ぶサスティナブルライフ②」として、日が短いことに対する考え方、柚子湯の習慣について書いていきます。
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