「エシカルコーヒー」とは?~スターバックスから学ぶ持続可能な社会活動~

株式会社ANのYukiと申します。 仕事の合間にほっと一息つくコーヒーブレイクが大好きです! コーヒーは、現代において私たちの生活に欠かせない飲み物の一つであり、広く世界中で愛されています。 しかし、コーヒー産業には様々な問題があり、2050年にはコーヒーが飲めなくなるとも言われているのです。 コーヒー産業の抱えている問題として、例えば、過剰な農薬の使用や森林伐採。 コーヒー生産者の労働状況や賃金、貧困など。ただでさえ栽培条件の限られたコーヒーという繊細な作物を、途上国の小規模農家が厳しい状況下で生産を支えているという現実があります。


自然保護の課題や、生産者の生活が守られずに離農が進んでいることに加え、地球温暖化による生産適地の激減、消費需要の増大も予想されます。

そのため、2050年にはコーヒーを手に取ることが難しくなるのでは、と考えられているのです。


嗜好品として広まったコーヒーではありますが、今や私たちの日常に溶け込み、不可欠な存在とも言えるのではないでしょうか。


コーヒー産業の問題を解決するため、コーヒー消費大国であるヨーロッパ諸国、アメリカや日本でも、様々な活動が進められています。


皆さんのよく知るスターバックスも、エシカルコーヒーの実践を推進している企業の一つです。


コーヒー業界のトレンドを作り出してきたスターバックスは、エシカルコーヒーの先駆け的存在でもあり、多くの人々にその重要性を伝えてきました。


そこで、今回は、スターバックスがエシカルコーヒーに取り組む姿勢やその具体的な取り組みについてご紹介します!



■エシカルコーヒーとは?

エシカルコーヒーとは、コーヒー生産者の人権や環境問題に配慮したコーヒーのことを指します。

多くの企業が、製造過程での環境への影響や社会的影響に焦点を当て、エシカルなビジネスモデルを採用するようになってきているのです。


具体的には、コーヒーの生産・取引において、環境・社会的な側面に配慮し、持続可能なコーヒーの生産を目指すといった取り組みが挙げられます。


例えば、スターバックスの店舗では、毎月20日および9/8〜9/10に「Ethically Connecting Day〜想いをつなぐコーヒー〜」として、さまざまなイベントを開催しています。


国際フェアトレード認証の「フェアトレード イタリアン ロースト」がアイスコーヒーとして提供されたり、クイズ形式でエシカルコーヒーを学ぶことができたりセミナー型のイベントが開催されたり等。

コーヒーを楽しみながらエシカルなことが学べるとは素敵ですよね。


画像引用→ https://stories.starbucks.co.jp/ja/ethicallyconnectingday2022/


また、コーヒーカップの循環型プログラムとして、リサイクル可能なコーヒーカップを提供し、消費者に使用後のカップの返却を呼びかける取り組みも実施しています。

カップが再利用できることにより、一般的な紙製のカップを使用する場合に比べて廃棄物の量が削減され、環境への負荷を軽減することができるのです。


マイタンブラーの持参でドリンク価格を値引きする取り組みのことは、ご存知の方も多いかもしれません。


さらに、スターバックスでは、エシカルコーヒーを実現するため、自社での取り組みだけでなく、コーヒー産地のコミュニティと協力して、共同で解決策を見つけていくことを目指しています。



■エシカルコーヒーの取り組み

スターバックスは、1994年に「コーヒー・サステナビリティー・プログラム(C.A.F.E.プログラム)」を立ち上げました。

国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルとの協働プログラムで、スターバックスが取引するコーヒー生産者に対し、社会的・環境的な基準を設け、遵守を求めているのです。


エシカルな調達のための購買基準となる認定プログラムである「C.A.F.E.プログラム」。

世界中のコーヒー生産者と取引を行っているスターバックスの中心的なCSR活動となっており、以下を実践しています。


経済的な透明性 スターバックスの生産・製造に携わる人々は、調達から販売まで一連の流れのなかで、焙煎する前のコーヒー豆に対する支払いの証明書を提出する義務があります。そしてそこには農家の方に直接支払った額も含まれています。 これによりどの農園からコーヒーを購入しているのか、生産者の名前とそれぞれの農園に支払われたコーヒーの価格を知ることができるのです。 社会的責任 コーヒー生産者には、所有する農園で働く人々の権利を保護する必要があります。そして時には、安全で公正かつ人道的な労働環境を促進するための対策が必要となります。 ここには賃金や手当、労働時間、雇用に関する慣習やルール、保護具の使用、医療や教育を受けさせることなどの基準も含まれています。 環境面でのリーダーシップ C.A.F.E.プラクティスには、持続可能な農業の実践と環境対策も含まれています。その内容はコーヒーの栽培と加工における廃棄物の管理、水質の保護、水とエネルギーの節約、生物多様性の保護、農薬使用の削減などといったものです。 継続的な改善への努力 C.A.F.E.プラクティスは一回限りの認証制度ではなく、定期的に認定基準を満たしていることを確認するプログラムです。このようなシステムができた背景には「高品質なコーヒーを末長く供給し、農業コミュニティにいい影響を与えつづけるため、できる改善は常にある」という私たちの思いがあります。 スターバックスは、コンサベーション・インターナショナルなどの団体と協力して日々改善し、このコーヒー調達プログラムが参加農家や生産者に及ぼす真の影響を測定しています。このプログラムがあるから、私たちは世界に30カ国以上あるコーヒー生産国の農家の人々や、調達から販売までの一連の流れを通して、直面している課題を知ることができています。

 用:C.A.F.E.プラクティス | スターバックス®の味わいをおうちでも (nestle.jp)


画像引用→ https://nestle.jp/Starbucksathome/story/cafe-practices.htm



■コーヒーの持続可能な生産

スターバックスは、世界中のコーヒー農園で、自然の保護や社会貢献に繋がる栽培方法を推進しています。

水資源の保護や森林保全、農薬の使用削減、再生可能エネルギーの導入などにより、自然への負荷を減らす活動に取り組んでいるのです。


また、持続可能性を考えるにあたり、労働者の権利や福利厚生の改善も不可欠。


スターバックスは、安全かつ健康的な労働環境の実現に向けた労働環境の整備を行っています。

人々の生活改善、およびコーヒー品質の向上のための、農園における新しい技術や経営支援といった教育機会の提供により、サスティナブルな農業を実現しているのです!


さらに、長期的なパートナーシップ形成による、生産者の経済的な繁栄と持続可能な農業の推進の支援。

具体的には、コーヒー生産者との契約を5年以上に渡るものとすることで、生産者が将来にわたって安定した収入を得られるというわけです。


こういった取り組みにより、コーヒー生産者には適正な価格を支払い、同時に、スターバックスのエシカルで持続可能なコーヒー豆の調達を実現しています。



■様々なエシカルコーヒー

スターバックスの他にも、多くのコーヒーショップがエシカルな取り組みを実施しています。


1952年に創業した小川珈琲は、いち早く90年代半ばから有機コーヒーの販売を開始。


2022年には、京都に「小川珈琲 堺町錦店」を構え、“100年先も続く店”として、有機JAS認証、国際フェアトレード認証、バードフレンドリー®認証、オランウータンコーヒープロジェクト認証といったエシカルコーヒーのみをラインアップし、美味しくサステナブルなコーヒーを味わえる場を提供しています。


同時に、無駄を省き、質の高いサービスを維持する努力を日々続けながら、持続可能な社会実現に向けた活動に取り組んでいるのです。


次に、世界中から高級なコーヒーを集めるTORIBA COFFEE。

2021年3月、「エシカル宣言15ヶ条」を発表し、地球に対して負荷をかけないためにできることを表明しました。


画像引用→ https://birdfeathernobu.com/vision/ethical/



新宿区江戸川橋に店舗を構えるBIKAS COFFEEも、自然と共生するアグロフォレストリー農法で生産したネパールのコーヒーを取り扱っています。

【トークイベント】ビカスコーヒー様とのコラボレーションワークショップからSDGsを考える (an-secretary.blogspot.com)


ほかにも、イオングループやセブン&アイHLDGS.などでも、フェアトレードやオーガニックにこだわったコーヒーを身近に手に入れることができます!



■おわりに

日常的に私たちが愛飲しているコーヒーは、近い将来なくなってしまうかもしれない。

コーヒーを守るためには、ただ生産すればいいのではなく、栽培や流通の見直し、生産者の労働条件の改善だけでなく、そもそも自然への負担を軽減することが求められています。


また、そのような生産の取り組みが実践されているエシカルコーヒーを流通させ販売すること、エシカルコーヒーの価値を消費者が知っていることも大切です。

何気ない消費行動を変えてエシカルコーヒーを選択することで、持続可能なコーヒーライフに繋がるかもしれません。


まずは知ることが、SDGsへの第一歩だと、私も社長の向山から教えていただいています。

そして小さなところから、行動を一つでも変えていくことが大切なのだと。


株式会社ANも、日常生活に取り入れやすいエシカルプロダクトの販売や、サスティナブルなライフスタイルの提案を行っています。

今後も皆様にお役に立てる情報をお届けしながら、私もエシカルコーヒーを一杯、大切にいただきます。


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