私たちにできるエシカルファッション~環境にいいファッションを日常生活に~


株式会社ANのYukiです。


みなさん「エシカルファッション」という言葉をご存知ですか?
今回は環境にいいファッションとして注目を集めている「エシカルファッション」についてお伝えしたいと思います。


■エシカルファッションとは
昨今、「エシカル消費」という言葉を多く聞くようになり、それをファッションにも取り入れ、人や地球に配慮しているファッションが「エシカルファッション」です。

参考までに、以前「エシカル消費」についてもこのブログでご紹介しておりますのでご覧ください。


「エシカル消費」とは  株式会社ANが考えるモノが溢れる今の時代だからこそ考える消費者の行動 (an-secretary.blogspot.com)


ファッション産業が抱える環境負荷
ファッション産業は、流行によってデザインの入れ替わりスピードが早いのが特徴。
しかし、その現状の中で、在庫を大量焼却しているという課題があります。

1着当たりの価格も安くなることで消費者の購入枚数は増える一方で、着ない服も増えているということです。


まずは、今持っている服を丁寧に扱い、長く大切に着ることが呼びかけられています。

また、製造過程でかかるエネルギー使用量も環境への負荷が大きく、問題視されています。

1着の服が出来上がるまでに、原材料の調達、製造、輸送、廃棄にいたるまでそれぞれで環境に影響を及ぼしています。


 ①原材料調達段階の環境負荷

  天然繊維(コットンなど)の栽培時の水消費や化学肥料による土壌汚染
  合成繊維(ポリエステルなど)の石油資源の使用、工場でのCO₂排出

 ②原材料調達から製造段階までに排出される環境負荷の総量(年間)

  CO₂排出量 約90,000㏏→服1着あたり約25.5㎏(500mlペットボトル約255本製造分)
  水消費量 約83億㎥→服1着あたり約2,300Ⅼ(浴槽約11杯分)
  端材等排出量 約45,000t→約1.8億着分

「エシカル 」とは、日本語訳で「倫理的・道徳的」という意味になります。


参考:https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

以上のことから、ファッション業界はなんと世界で2番目に環境を汚染している産業と言われているのです!



■ファッション産業が抱える人権問題

大量生産の裏には劣悪な環境下での労働も問題視されています。

2013年にバングラデシュで起きた、8階建ての商業ビル「ラナ・プラザ」が崩壊し、死者1,100人以上、負傷者2,500人以上の大惨事となる事故が起こりました。


元々5階建てのビルを、無理矢理8階建てにし、建築基準を無視した造りに多くの縫製工場を置いて、従業員を働かせている状態でした。

建物自体に亀裂が入っている報告を従業員から受けていたのにも関わらず、オーナーは無視し続け、結果この悲しい事故に繋がってしまったそうです。

先進国と発展途上国との間の貿易の不均衡により、低賃金で働いている人々がいるという事実が浮き彫りになったきっかけの事故です。


さらに長時間労働や製造過程で発生する化学物質による健康被害も多いといわれています。


こういったファッション業界の抱えている課題に取り組み、人や地球に配慮するエシカルファッションが注目されるようになりました。


■エシカルファッションの基準

エシカルファッションには10の基準があります。
この基準は、2006年に設立されたEthical Fashion Forumにて定義づけられました。

参考:https://the.ethicalfashionforum.com/about-1(Ethical Fashion Forum)


 1. ファストファッションではない
  安い衣服が大量に作られ、大量に廃棄されていることから、環境汚染に繋がっています。
  そのため耐久性があって長く使えるファッションを取り入れていこうという考えです。

 2. 生産者の権利を尊重する
  生産者の賃金や労働環境が整っている事を大事にしています。

 3. 持続性可能な生活を基盤におく
  日常生活で環境に配慮したファッションを取り入れていくことで環境への興味に繋がります。

 4. 有毒な農薬や化学薬品の問題に取り組んでいる
  製造過程で使われる化学薬品は環境にも生産者にも悪影響を及ぼしています。
  よって、これらを使わない製造をすることで環境や生産者を守ることができます。

 5. エコフレンドリーな素材を使っている
  再利用して作られた生地や自然分解される素材を使って作られていることも求められます。

 6. 水の使用を抑えて作る
  製造過程で大量に水が使われています。
  限られた地球の資源を守るため、水の使用を控えることも大切です。

 7. 再生可能エネルギーが使われている
  製造には水以外にも様々なエネルギーを使います。
  極力再生可能なエネルギーを使った製造過程の整備が進められています。

 8. 持続可能性を促進する活動をしている
  多くのブランドがエシカルファッションを促進する取り組みをしています。
  そのブランドの商品を選ぶことも持続可能性を促進する活動です。

 9. エシカルファッションに関する取り組みを報告する
  出来上がった衣類の生産過程を公開することもエシカルファッションと言えます。

 10. 動物の権利を守っている
  ファッションに関わる企業が、動植物保護を掲げていることも基準となっています。


■各企業の取り組み

エシカルファッションを取り入れている企業は増えています。
「ファストファッション」と呼ばれるブランドのなかでも、エシカル商品の展開に取り組んでいる企業もあります。


こういったブランドが増えることで、より消費者の意識も高まりそうですよね。

①PeopleTree(ピープルツリー)
日本を代表するフェアトレードブランドです。
世界フェアトレード連盟の認証も受けており、日本でいち早く労働環境や地球環境に着目していました。

参考:https://www.peopletree.co.jp/index.html

②ユニクロ
ペットボトルを再利用し、新しい服を作っています。
また古着を回収し、アフリカ、アジア等に寄付をしています。

参考:https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/

③Patagonia(パタゴニア)
オーガニックコットンを積極的に採用するなど、アウトドアブランドの中でも早くから環境問題に対する取り組みを行っているブランドです。

参考・https://www.patagonia.jp/home/


■私たちにできること

実際ファストファッションの需要はまだまだ多いなか、少しずつファッション業界は変わろうとしています。
まずは私たち消費者も、今何が起きているのかを知ることからはじめ、何を選び、何を買うのか…。行動の基準を変えていく必要があるのではないでしょうか。
日常生活で欠かせないファッションだからこそ、エシカルファッションを取り入れておしゃれを楽しみながら、 SDGsに沿った持続可能な生活を送っていきたいですね。


----
株式会社AN ホームページ
http://an-k.co.jp/
----



コメント