【トークイベント】アグロフォレストリー農法でSDGsに貢献~BIKAS COFFEEが取り組むGLOBALACTION で創出する新しい価値

株式会社ANのYukiと申します。

2023年6月21日に東京都文京区に本社を置く合同会社 BIKAS COFFEE(ビカスコーヒー)の代表社員 菅勇輝さんとのトークイベントを開催いたしました。

https://www.bikascoffee.com/


今回はアグロフォレストリーでコーヒーの森を作る植樹プロジェクト『BIKAS COFFEE VILLAGE 』についてSDGsの観点からお話いただき、菅さんが活動を始められたきっかけや想いなどを伺いました!



BIKAS COFFEEとは1年以上前から何度かコラボレートの機会をいただいています。


当社のオーガニックショップにおけるSDGs推進の取り組みの一環として、2022年5月に植樹プロジェクト『BIKAS COFFEE VILLAGE 』のクラウドファンディングに参加しました。

クラウドファンディングを通じたコラボレート ~ネパール・カトマンズにコーヒーの木を植えました~ (an-secretary.blogspot.com)


さらに、2022年11月にはオーガニックショップのワークショップにおけるコラボレートを実現。

【トークイベント】ビカスコーヒー様とのコラボレーションワークショップからSDGsを考える (an-secretary.blogspot.com)


先日、2023年4月22日・23日の2日間は、「BIKAS GREEN MARCHE」への出店もさせていただきました!

地域の方やマルシェに出店された皆様との交流を通して、当社のオーガニックショップを知っていただく素晴らしい機会となり、社長やスタッフ一同、大変お世話になりました。


以上のような活動をBIKAS COFFEEと共にして気づいたことは、美味しいコーヒーをお届けすることにフォーカスしているというよりも、活動理念や価値の発信や、個々が自己実現できるコミュニティ作りそのものを大切にしてこだわっていらっしゃるということ。


そこで、当社もSDGsの発信に取り組むべく、今回改めてBIKAS COFFEEの菅さんへのインタビュー形式でトークイベントを開催しました。




■BIKAS COFFEEの取り組むアグロフォレストリー農法とは

「味や香りではなく意味で選んでもらうコーヒー」をコンセプトに打ち出すことで、BIKAS COFFEEでは、流通の健全化や雇用支援に力を入れ、トレーサビリティの高い、つまり生産者と消費者が直接繋がるような顔の見えるコーヒーの販売を実現しています。


BIKAS COFFEEで取り扱っているのはネパールのハルパン村で生産されたコーヒー。

そもそも繊細な作物であるコーヒーは、気温や降水量などの条件を加味して非常に限られた地域でしか栽培が難しいとされており、主な生産地はエチオピア、ケニア、インドネシア、ブラジルといったコーヒーベルトと呼ばれる地帯。ネパールの名前は私も聞いたことがありませんでした!


それもそのはず。畑一面の大量生産をするプランテーション農法ではなく、ネパールのハルパン村では、自給自足の生活の中で「副業」としてコーヒーを栽培しているのです。

そのため生産量は非常に少なく、大規模農法では行き届きにくいといわれる作物の管理も、生活に結びついているネパールのハルパン村では、一つ一つに手入れが行き届き大切に育てられます。

機械を入れることもできないような山間部を活用しているので栽培はすべて手作業。もちろん農薬も使わず、肥料も自然由来。収穫された赤い実を精製するいくつもの工程まですべて現地の方が一つ一つ手をかけています。


BIKAS COFFEEでは、自然の中で生産者の手作業によって作られた、一般的には流通困難で希少性の高い、上質なコーヒーを扱っているのです。


写真引用→ https://www.bikascoffee.com/story-of-bikas-coffee-3/


これが、オーガニック農法とも言われるアグロフォレストリー農法です!

森を切り崩す農業から、森を作る農業へ。

アグロフォレストリーは、混植とも呼ばれます。森の中や、もともと育てている畑の野菜や樹木と一緒に少しずつ植えることにより、直射日光に弱いコーヒーにとっての自然のシェードツリーを作るなど、多様性の中で作物の特性を活かし合うような農法です。


「ハルパン村の人々の生活スタイル自体が、コーヒーを作るうえでも飲むうえでも結びつきやすい。」と菅さんはおっしゃいました。

ハルパン村をモデルとして、アグロフォレストリー農法の考え方を色々な地域、世界に転用していく将来性も考えられます。


森と共生し、生活や自然の中で無理のない形で栽培されるコーヒー。

BIKAS COFFEEは、3年前からアグロフォレストリーの活動を通して自然を守り、生産者を支え、持続的な栽培を実現し、飲むだけでSDGsに貢献できるコーヒーを提供していらっしゃいます。



■BIKAS COFFEEの誕生は、人と人との出会いから

今年30歳になるという若さで、世界的に活躍されている菅さん。

ネパールとの出会いは大学1年生の時。学校を建てるボランティアを初めとして5年ほど国際協力のボランティアに取り組まれ、自らも学生団体を立ち上げて活動されていたのだそうです。


当時、『僕たちは世界を変えることができない。』というノンフィクション映画で、カンボジアに医大生が学校を建てる話を観たことがきっかけだったのだとか。

社会活動やボランティアに興味があったというよりも、漠然と「海外で面白いことをしたい」というところからだったと話してくださいました。


そして、NPOの活動を通じて学校の支援に取り組んでいた中で、18歳のときにネパール人のゴクールさんという方に出会ったことが、菅さんの人生に大きなインパクトを与えたのだそう。


菅さんにゴクールさんが付けてくれた「ビカス」というネパールネーム。

ネパール語で「発展」という意味を持つ「BIKAS(ビカス)」という名前について、「何者でもない僕を、誰かのためになるような人にしてくれた」と語っていらっしゃいました。


以来、ネパールが好きだからというよりも、ゴクールさんと一緒にネパールに関わる活動をしたい!という想いに突き動かされ、冠した名の通り、ネパールの人々と面白いことをやったり繋がりを強くしたりしながら、もっと貢献できたらいいなという気持ちが芽生えていったとのこと。


当社の社長の向山もよく話してくれますが、「何をやるかではなく、誰とやるか」。事業や活動内容以上に、一緒に仕事をする人物やチームの魅力が重要だという意味の言葉です。

私自身も、向山社長という「人」がきっかけとなって選んだ道ですから、その出会いの衝撃と想いには深く共感いたしました!


BIKAS CAN BIKAS このCOFFEEが世界をDEVELOPさせる。」というBIKAS COFFEEの掲げるフレーズから、ビカスの名を持つ菅さんの考える生き方そのものを感じさせられます。



■「#理念で売るコーヒー」から広がるコミュニティ

もう一人のBIKAS COFFEEというブランド誕生の立役者となった存在についてもお話してくださいました!

菅さんの勤めていた企業の先輩で、広告業界で長年活躍されてきた知見をもって、BIKAS COFFEEのブランディングに働きかけた方でもあるとのこと。


その先輩曰く「なぜ菅くんがそれをやるのか。BIKAS COFFEEが何を届けるのか。コーヒーを届けるのではなくて、コーヒーを通して社会に何を伝えていきたいのか」など、モノで差別化できない世の中だからこそ、コミュニケーションをセットで、プロダクトに想いを乗せていくことを示してくださったのだそう。



そうして「味や香りではなく意味で選んでもらうコーヒー」が生まれました。

コーヒーを理念で売ったことにより、ネパールが好きだからとか、コーヒーが好きだからとかではなく、BIKAS COFFEEがコーヒーを届ける理由やそのストーリーなどに共感する人たちが集まっていて、コミュニティも形成されています。


単にネパールからコーヒーを仕入れて販売しているのではない。そんなBIKAS COFFEEを通じて実現したいこと、コーヒーを通して得た自分の体験をストーリーとして広げていくこと、こういった共通の価値観を通してコミュニティが広がっているのです!



■『GLOBALACTION(グローバルアクション)』でつくる経済社会

BIKAS COFFEEの掲げる「新しい GLOBALACTION を開発し、すべてのヒトが社会に貢献できる経済社会をつくってゆく」というビジョン。

ここには「人をBIKASさせていきたい」という、菅さんの想いが込められています。


自分にとって大切なこと、好きなこと、面白いこと。自分のやりたいと思ったことが繋がった先に、社会や経済的な価値に結びつくような行動を、GLOBALACTIONとして提案しています。


菅さんの実現したい社会は、自然保全や社会問題に取り組むことを目的としているというよりも、むしろ根源にある想いは、「人」のエンパワーメントに近いのだと話してくださいました。

ウェルビーイングという言葉もありますが、個人が持っている価値をどう高められるか、その人の人生をどう発展させていけるのか、ということに最も注力されているそうです。


実際、BIKAS COFFEEの活動は確かにSDGsに即したもので、地球にも社会にもよいこと。生産者と消費者の双方向のコミュニケーションを生むような植樹のプロジェクトを通して、自然の豊かさも守っていらっしゃいます。


ただし、これをやらないといけないと思ってやるのではなく、菅さんはただ自分がやりたいことをやってるだけ。

いきなり誰かのためにやるのではなく、自分の好きなことを表現する。その行動の結果として社会貢献になるようなGLOBALACTIONの考え方を大切にされています。

自らがGLOBALACTIONを新しく生み出していくことによって、誰もが社会活動に参画できる未来を描いて活動されているのです。


そんなGLOBALACTIONの一つが、BIKAS COFFEEを飲むこと!

コーヒーを飲むという日常的な消費行動の中で、自然や社会を守るための貢献ができるということです。


コーヒーを通じてGLOBALACTIONを広げて増やしていき、BIKAS COFFEEに触れた人が自分自身の「ありたい姿」に気づくような内発的な発展(=BIKAS)を促すことをビジョンとしています。

そして、GLOBALACTIONの関係人口を増やしていくことによって、より多くの人が自分のやりたいことを表現し、社会貢献できる経済社会を作っていくアプローチを実践されているのです。



「夢は膨らむばかり」と笑顔で語る菅さん。


今回のトークイベントを通して、1杯のコーヒーに込められた想いを改めてお伺いし、今後はより深くBIKASのコーヒーを味わえるようになりそうです!


当社も、地球や人に優しいライフスタイルを提案すること。

社会への貢献に繋がる事業や自己成長をアシストすること。

人と人とのコラボレートを通じて新たな価値を作ること。

「地球×人」「事業×人」「人×人」を企業理念に掲げています。


BIKAS COFFEEのコンセプトやビジョンには共感することばかりで、貴重な学びの時間となりました!


いつものライフスタイルに取り入れやすい商品や習慣だからこそ、SDGsや社会活動への貢献にとても参加しやすいと感じました。


まずは知ること。そして日常生活で少し選択を変えること。

コーヒーを通したアクションによって作り出せる発展を、少しでも多くの方にお伝えする一助となっていれば幸いです。


株式会社ANは、今後もトークイベントを通してSDGsに繋がる活動や情報を発信してまいります。


この場をお借りして合同会社 BIKAS COFFEEの代表社員 菅勇輝さんに厚く御礼申し上げます。


http://an-k.co.jp/


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